ネコは【猫舌】なんかじゃない!ちょっと熱いのに慣れてないだけ
ネコのかわいいしぐさのひとつに、舌をペロッと出してこっくりこっくりしていることがありますが、そんな姿を見たことはありませんか?あれは一体どういうじょうたいなのか、もしかしたら具合でも悪いんじゃないかと心配にもなります。
あのかわいい姿の訳には、きれい好きなネコが自分の毛を舐めていて、疲れてしまったというのが真相のようです。バタンキューといったかんじでしょうか。
ペットのネコの場合には、飼い主さんに気を許して、完全に寛いでいられる心境だからなんです。また、中にはネコの種類によって、「ヒマラヤン」や「チンチラ」などの平たい顔系のネコちゃんは、ちいさな口をしているために、舌の収納がおぼつかないということもあるようです。
このネコの舌については、「猫舌」という言葉があるように、ネコは熱い食べ物が嫌いというイメージがあります。確かにネコに熱い「ネコまんま」を与えても、ビビッているのか、ほとんど食べようとしません。
本当にネコは「猫舌」なんでしょうか?それでなくともエサの好き嫌いは多くて、熱い食べ物も嫌いな食べ物のひとつのように思えます。
しかし、野生に生きる獣たち全てに言えることで、熱い食べ物に慣れていないというのが本当のところです。ペットのイヌは、昔から人間と共に同じものを食べてきたため、熱い食べ物には慣れ親しんでいますが、自由気ままなネコちゃんは野生のココロをいまだに引きずっているということなのです。
ネコの舌というと、ザラザラ感が特徴ですが、これは舌の表面にカギ状になった突起物がたくさんできているためです。この突起をつかって、食べ物を上手に摘み上げたり、水を飲んだりしているです。
ネコ派がイヌよりもネコを愛する理由のひとつに、このネコの舌のザラザラ感があるのではないでしょうか。イヌの舌は唾液に覆われていて、舐められるとベロベロした感じがなくなりませんが、ネコの場合はまったくそんなことはありません。
食べ物の偏食が多い印象のネコですが、食べ物に味を感じているのでしょうか。実は、イヌも同様なのですが、ネコには甘さを感じる機能が無いようなのです。
アメリカやイギリスの科学者が行なった研究によると、砂糖水とただの水の飲み比べをさせてみたところ、ネコはどっちの水も同じように飲んだということです。
それではネコちゃんにはどんな味がわかるのかというと、それは苦さと酸っぱさ、そしてしょっぱさの三つなのです。
ネコにとって苦さと酸っぱさは、野生の時代に腐った肉を食べないようにしていた、生きるための最も重要な味覚となっているのです。しょっぱさについては、一応感じてはいるのですが、かなり鈍感なようで、野生時代に獲物の血液から充分に塩分を取っていたために、感覚が鈍ったのだと思います。
いずれにしても、食事はわれわれ人間と同様に、ネコにとっても生きていく上でとても大切なことです。ネコが好き嫌いが激しいというのは思い込みですので、飼い主がちゃんと気づかってあげるのがイチバンなのです。